継承の利点 多重継承

継承の利点について、同様の内容をどなたかが言及されていましたが(すみません、見失ってしまいました)、あらためて分かりやすく、当初からの意図をご説明します。例えば

という親子関係があった場合、「コーギー」の説明としては、「足が短い」といった固有の性質について書けばよく、「4本足である」といった「いぬ」に共通の説明はその親キーワードに書けばよいことになります。
この場合、「いぬ」の事が分からない人は「いぬ」のページに行ってその説明を遡って読むことができ、「いぬ」についてはよく知っている人は「コーギー」特有の説明だけを読めばいいことになります。
同様に、「運動性がある」と言った「動物」共通のことは、「いぬ」ではなく「動物」に書くことができます。
一度「いぬ」に「4本足である」という説明文をつければ、次に「ミニチアダックスフンド」がその子キーワードとして登録された場合にも、やはりその説明文となり得ます。
キーワードの親子関係によって期待していた継承の効果はこのようなものです。

また、「村上春樹」は「小説家」であり「翻訳家」である、といった場合の問題(これを多重継承(いくつもの性質を継承することができる)問題と呼ぶ事にします)については、「小説家」と「翻訳家」のそれぞれの子キーワードとして「村上春樹」を登録する事で対応を図ろうと考えています。

id:phaさんや、id:candoさんにご提案いただいております属性による分類も、この多重継承の問題と同一であると思います。
つまり、「村上春樹」に「小説家」と「翻訳家」という二つの属性を登録するのか、「小説家」と「翻訳家」のそれぞれに「村上春樹」を登録するのか、という相違があるだけだと考えます。
この際、属性を登録するシステムの場合には、どのような属性を登録する事ができるのかをさらに何処かに規定しなければならず、仮にそれがキーワードであるとすれば、システムとしては何ら変わらない物になるのではないでしょうか。

id:phaさんの「1980年にイギリスで書かれた歌舞伎を量子力学の観点から分析する本」の例では、「論説」等が親キーワードであり、「歌舞伎」「量子力学」「イギリス」「1980年代」については説明文章内のキーワードリンクを利用して互いを参照する方法はいかがでしょうか。