はてなの新サービスリリースについて

本日、はてなは新しいドメインとなるhatena.comドメイン、および日本語版サイトとなるhatena.ne.jpドメインにて新サービスを開始します。

今回発表を行う新サービスは以下の2つです。

また、近日中に以下のサービスのリリースを予定しています。

また、これに先立ち、7月5日にはてなのユーザー登録システムのリニューアルを行っており、これを基礎とした英語版ポータルサイト http://www.hatena.com/ もリリースしています。

日本語版サイト、英語版サイトはユーザーアカウントなどの情報はすべて共有されているため、すでにはてなでユーザー登録をされている方は、新たにご登録いただく必要はありません。お使いのアカウントで新サービスもご利用になれます。

Hatena Inc.設立からこれまで

はてなでは、世界を視野に入れた新しいサービスの開発を目的として、昨年2006年7月に子会社Hatena Inc.アメリカ合衆国シリコンバレーに設立し、これまで準備を重ねてきました。

この期間中、新しいサービスの方向性を模索してきましたが、その中で以下のような方向性を考えるに至りました。

  • 既存のはてなサービスから大きく外れず、それをより発展させたサービスを提供する
  • これまでのコミュニティ運営経験を最大限生かし、より快適で楽しいコミュニティの形成に取り組む
  • 既存ユーザーの期待に最大限応えるべく洗練されたサービスを提供し、同時に新たなユーザー層の獲得を目指す
  • 誰かの物真似ではない、新規性のあるサービス開発に取り組む

これらの方向性を踏まえたサービスを日本語、英語圏両方に向けて提供しつつ、将来的に世界中で1000万人以上のユーザーの方々にご利用頂けるサービスを提供することを目標として定めました。

今後の方向性を模索する中で、これまでのサービスとは大きく離れた新規サービスの開発に取り組む事についても検討を行いましたが、すでに50万人を超えるユーザーの方々にご利用頂いている現状や、これまでの運営経験を生かす事のできる方向性は何かと考える中で、これまでのユーザーの皆様が現状のはてなサービスに対してお持ちになっている不満や期待を正面から受け止め、そうした方々にも喜んで頂き、さらに驚いて頂けるようなサービスの開発に集中すべきであるという結論に至りました。

既存ユーザーの方に最大限満足して頂けるサービスを提供することこそが、はてながさらに幅広い多数のユーザーの方々にご利用頂くサービスとなる事に直結しており、そこを避けて通るべきではないと考えました。

今後はてなは、こうした方向性に沿ってサービスの開発を行っていきます。

はてなサービスのこれまで

はてなは2001年7月に最初のサービスである人力検索はてな http://q.hatena.ne.jp/ とともにスタートしました。
続いて2002年にはてなアンテナ http://a.hatena.ne.jp/、2003年にはてなダイアリー http://d.hatena.ne.jp/ の提供を開始し、現在はてなダイアリーが最大のサービスとなっています。

これらのサービスは、はてな創業の地である京都にて、創業者である近藤淳也を中心として開発を行いました。はてなダイアリーの人気拡大と収益化に伴い、はてなは2004年に東京都渋谷区に移転し、4人だった社員数を3年間で6倍の24人に拡大させ、業務の拡大を行って来ました。
この拡大の中で、エンジニア、デザイン、営業、サポート、サーバー運営、といった各専門の部門を設立し、人材の充実を図ってきました。また、この中でも特にエンジニアチームの充実に重点を置き、「エンジニアが自由にサービス作りに専念できる環境づくり」を目指し、合宿や自宅オフィス制度などさまざまな試みも行ってきました。

こうした試みの中で、2005年のはてなブックマーク http://b.hatena.ne.jp/ や、2006年には新規サービスを自由に発表することができるはてラボ http://hatelabo.jp/ をリリースするなど、数多くの新サービスの開発を行ってきました。

しかし、これらの新サービスからはてなダイアリーを超える規模のサービスが生まれず、また、社員数に比べてサービス数が多すぎる状態になってしまったため各サービスの機能追加などの速度が落ち、一部のユーザーの方々からは不満の声も聞かれる状態を招きました。社内では、エンジニアが分散してプロジェクトに取り組み、サービス間の機能連携なども行いにくい状態となりました。

「クリエイター主導によるサービス作り」へ

こうした状態を打破し、新たに魅力あるサービスの提供を行う組織となるために、「エンジニアが自由にサービス作りに専念できる環境づくり」から「クリエイター主導によるサービス作り」へとサービス開発方針の大きな転換を行いました。

魅力あるサービス開発ができる人間を新たに「クリエイター」とし、エンジニアとは別の職種であるとしました。クリエイターになるための基準を設け、その基準を超えることができた人間のみがクリエイターとしてサービス開発を担当するものとし、エンジニアは技術面でクリエイターの作り上げるサービス開発を助ける体制へと変更しました。

この変更に伴い、はてなブックマーク伊藤直也id:naoya)、Rimoは神原啓介(id:kambara)がそれぞれサービスを担当し、その他のサービスは近藤淳也id:jkondo)が担当するものとして組織の再編を行いました。サービス開発においては、クリエイターがサービスの方針決定において大きな権限を持ち、責任を持ってサービスの改良を継続する事としました。

新サービスの概要について

今回発表する新サービスはいずれも近藤が担当し、開発を行っていきます。それぞれのサービスは以下のような位置づけになっています。

はてなスター http://s.hatena.ne.jp/ (英語版 http://s.hatena.com/

はてなダイアリーはてなグループや外部のブログサイトをより楽しく便利に使うことができるようにするサービスです。はてなダイアリーやグループでは何も設定することなく本日よりはてなスターの機能をお使い頂けます。
はてなスターではブログだけに留まらず、広くインターネット上でのコンテンツに対する「興味の可視化」に取り組んでいきたいと考えています。

はてなメッセージ http://m.hatena.ne.jp/ (英語版 http://m.hatena.com/

はてな内の各サービスからユーザーに向けられたメッセージを集約することを目的とした、メールのようなサービスです。

はてなワールド

はてなワールドの詳細についてはサービスリリースをお待ちください。本サービスでは、サブクリエイターに草野太輔(id:wanpark)を据え開発を行っていきます。

はてなポータル http://www.hatena.ne.jp/ (英語版 http://www.hatena.com/

先日リニューアルを行ったはてなポータルサイトでは、ユーザー登録の際に必要な項目が大幅に減り「ユーザー名」「パスワード」「メールアドレス」のみとなりました。
通常のユーザーに加えて「アドバンストユーザー」を新設し、「生年月日」「性別」「氏名」を登録することではてなポイントの操作などが行えるようになりました。これまでのユーザーの方々は自動的に「アドバンストユーザー」となっています。
日本語版サイト、英語版サイトはユーザーアカウントなどの情報はすべて共有されており、それぞれ同じユーザーアカウントでご利用頂けます。

各新サービスの詳細については、それぞれのサービスリリース文をご覧ください。

はてなサービスのこれから

はてなサービスでは今後「インターネットで生活を豊かにする」サービスを目指し、サービスの開発・運営を進めて行きたいと考えています。

はてなダイアリーを含めた既存サービスの置き換え、統合などを視野に入れながら、はてなサービス全体でインターネット生活の場の統合環境を提供すべく開発を進めていければと考えています。

今回のサービスリリースを機会に、はてなでは「豊かな生活とは、十分な数の大切な人間と十分な時間接することができ、社会から受け取る以上の価値を社会に対して提供している状態である」と考え、これを拠り所にサービスの提供にあたりたいと考えました。

豊かさに欠かせない2つの要素として、人と接する時間と、人に価値を与えることのできる余裕の二つの要素があると考えました。大切な人とのコミュニケーションを十分にとることができない生活は豊かではないし、社会に対して価値を出すことができない生活も豊かではないと考えました。後者については、よりたくさん「所有」していることを豊かであるとする場合が多いと思いますが、はてなでは「所有」ではなく「提供」できることこそが豊かな状態であると考えたいと思います。

はてなサービスを使うことで、大切な人と接する時間が増えたり、第三者にとって価値のある情報が増加していく、そのような状態を目指して努力していきたいと考えています。

今後とも、はてなのサービスをよろしくお願いします。